MUZUMI
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国金のことを、みなさんは知ってるだろうか?

私はよく知らない。

国金というのは日本政策金融公庫の略で、「金利2%ぐらいで借金できるところ」ということぐらいなら知ってる。

23歳大学生3年生が、人生初めての借金をする場所としては悪くないところだろう。


なぜ私は国金で借金をしようと思ったのか。
それは、自分を追い込みたかったからだ。

浪人。留年。休学。バイトはせず、家でゲームをして暮らしている。
私はヤバい、死んでしまえと自分自身が語りかけてくる。
しかし一方で焦ってはいない。人生なるようになるものだ。

そう、その油断が私を今の状態にしていると確信している。

だから、自分を追い込むことが必要だと感じたのだ。
親が死ぬ前に、一人で生活を成り立たせねば。親を安心させねば。

私は分析能力が長けていると自負している。うつ病と診断される人はそういう面があると聞いたこともある。私はうつ病になって休学した過去がある。

そのときお世話になったカウンセラーの先生から、国金でお金を借りて、大学生活を自費で過ごすことを勧められたのだ。

そこで私は決めた。
「金銭的に親から独立しよう」と。


「お父さん。
突然だけど、国金から300万借りようと思うので、
この申込書にサインしてほしい。
そんで明日以降、父さんが暇な時に一緒に提出に行きたい。」

父は面食らっていた。予定通りだ。

我が父上はパッと見、穏やかな変人だ。
今までどなったことが一度もなく、いつもジョークをいう。
電車の吊り輪で筋トレしたりする。本人曰くアスペルガーらしい。

一方で、父は臆病でプライドが高い人だ。
お金を使うのが怖いというし、物事の決断が遅い。
怒鳴るべき場面で怒鳴れない。常に一歩引いたところで俯瞰しようとする。
(…念を押しておくが、父の性質を述べているのであって貶すつもりはない。)

そんな父の性質を踏まえて、国金の話は突然にぶつけた。
そうすれば時間短縮になるし、感情で断られる可能性が減ると考えたのだ。

父「わかった、あとで話そう。」
即決してもらえなかった。
まぁ予想できてたことだが、俺の頭は重くなった。

その日の晩、家族会議が開かれた。
父、母、姉、そして俺の4人全員でテーブルを囲んだ。


 

父「実は息子が国金から300万借りたいって言ってるんだけど」
母「え…300万って高すぎじゃない!?なんでそんなこと言いだしたの!」
父「そうだな、まずは聞こう。どうして300万なんだ?」
俺「大学の2年間の生活費だよ。借金の利子も元金も全部自分で返す。」
俺は国金で借りる理由、返済計画を全部話した。
300万借りる。15年かけて返す。利子は年利1.76%。在学中は利子だけ返済し、卒業後は元金含め返す。足りなくなったら、できれば親に頼らせてほしい。
300万という金額は、先生からそう言われたから。といった。

父と母はぐずった。NHKを解約するのが先だろうとか、そんなお金借りるんだったらバイトしなさいよ、など直接的には関係ない話を振ってきた。
実に非効率的だ。私は「借りたら困る理由や不安、懸念すること」を知りたかったし、ちゃんと解決するから教えてくれと言った。思考が俺と似ている姉も、話をそう誘導する働きかけをしてくれた。

しかし母はまるでお金を借りることが愚行や禁忌であるとでもいうようにまくしたてた。
母上は感情的になると言葉が通じにくくなるのだが、心の底では重要な点を抑えているという不思議な性質を持っている。この場合、なぜ「300万なのか」を知りたかったのだろう。
しかし母をなだめながら父の嫌味に近い指摘へ反論するのに忙しい私に、それを察する余裕はなかった。

母上は結局「もうお父さんに任せる 知らん」といって退室してしまい、父とはその後少しも話が進展せず、私はいったんあきらめることにした。

話し合いは、一番重要な「どうして借りてはダメなのか」すらわからないまま終わった。

我が家はいつもこうだ。話が進まない。悔しい。私たち家族は愚かでエネルギーの無駄をしている。

否が応でも、話し合いは結論を出すべきだと私は思うのだ。

だから私は、話し合いがうまく行かなかった原因を探るべく、戦闘モードに入った。

その2に続く

 

参考
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MNG2NEWS,オトナの余裕。エグゼクティブ家族会議、始めました。より
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